正しい時間を知ることは、私たちの生活において欠かせない行動です。
海外の友人や取引先とのやりとりで、世界各国の時間まで把握する腕時計を持ち歩いている人も多いことでしょう。
数千年後には、月や火星での生活も当たり前になり、月の満ち欠け、惑星の位置関係、十二宮星座を常に知っておこうとする人も出てくるかもしれません――・・・・・・。
宇宙と星々と地球の複雑な関係を示す天文時計は、夢見る人類によって熱心に製作されてきました。
今回は世界で最も美しい天文時計を3つご紹介します。
プラハ天文時計
{CC BY 2.0 | Steve Collis from Melbourne, Australia }
およそ600年前、15世紀初頭に製作され、現在稼働する天文時計のうちで最も古いのがチェコ、プラハの天文時計(または、プラハのオルロイ)。
惑星の位置関係を示す文字盤、時間ごとに異なる動きで楽しませてくれる人形仕掛け、季節ごとの典型的な風景を描き込んだ暦版など、全てが精密に、かつ美しくデザインされています。
{CC BY-SA 3.0 | Godot13 }
15世紀初め、時計職人と天文学教授の協力によって作り上げられ、何度動きを止めようと忍耐強く修復され、日常の狭い時間だけでなく、宇宙の広大な時間を語る天文時計は、チェコの人々に愛され続けています。
{CC BY-SA 3.0 | Ludek }
第2次世界大戦時に受けた多大な損傷を乗り越え、現在では、世界中の観光客がこのプラハのオルロイの前に立ち尽くし息を呑む姿が見られます。
ブザンソン天文時計
{Arnaud 25 | CC BY-SA 3.0 }
フランス東部、ブサンソン大聖堂に置かれる天文時計の複雑さは、無数の目玉のように張り付いたダイアルが物語るかもしれません。
高さ約6メートル、幅2.5メートルの天文時計を支えるのは、3万にも及ぶ部品です。
側面に設置されたダイアルは全部で70あり、秒、時、日、年を示すだけでなく、1万年は狂いなく動くとされ、うるう年にはもちろんのこと、日の出と日の入りの時間も正確に教えてくれます。
プラハのオルロイと同様に、惑星の動きや季節の移り変わりも示しますが、毎日イエス・キリストの埋葬と復活を表現するという宗教的役割に主眼が置かれています。
ヴェルサイユ・マンサール天文時計
{CC BY-SA 3.0 | Trizek }
世界で最も有名かつ贅を尽くした卓上の天文時計は、ヴェルサイユ宮殿の一室に置かれています。
高さ2メートルを誇る天文時計は、最高度のロココ調によって彩られ、てっぺんには動く天球、太陽の動き、月の満ち欠けを教えてくれます。
{CC BY-SA 3.0 |Trizek }
王国の衰退を目の当たりにした購入者ルイ15世と、9999年までの日付を表示させるよう製作された天文時計は、図らずも奇妙な対照を浮き彫りにしています。
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