『もうすぐクリスマスだなぁ・・・』
朝露で曇った窓ガラスを見るとき、街の温かい灯りを見るとき、そんな気分にさせられます。
サンタさん宛てに手紙を書いて、プレゼントをお願いする。
すると、クリスマスツリーの下に、びっくりするほど派手な包装の箱が・・・。
いざ開けてみると、欲しかったのとなんか微妙に違う・・・。
けれど、そんな微妙な気分も、両親の苦笑いも、美味しいクリスマス料理を前に一気に吹き飛んでしまうことでしょう。
プレゼントと同じくらい、特別な料理も楽しみしている方が多いのではないでしょうか?
どうやら、海外にも、美味しくて楽しいクリスマス料理がいっぱいあるみたいです。
フィンランド
サンタ・クロースの住む場所(と強く主張される)北欧の国フィンランド。
毎年、世界中の人がサンタさん宛ての手紙を書くことでも知られています。
cc-by-sa-3.0|Jonathunder
最も伝統的な料理は、Lutefiskと呼ばれる魚料理。
灰汁に数日間漬けることで、ゼリー状になります。
cc-by-sa-3.0|Suvi Korhonen
豚足も食べられますし、たくさんの野菜をトロトロになるまで煮込んだキャセロール料理も有名です。
cc-by-sa-3.0| Malene Thyssen
デザートは、プラムのジャムをかけたライスプディング(米をミルクで煮た料理)。
隠されたアーモンドを見つけた人は、幸運な1年を送れるといいます。
グリーンランド
またしてもサンタ・クロースの住む場所(と強く主張される)北欧の国グリーンランド。
もしくは、少なくとも夏休みの休暇は過ごすだろうと言われています。フィンランドに比べて、グリーンランドは少し弱気です。
クリスマスツリー用の木が育たない環境にあることから、ツリーは主にデンマークから輸入されます。輸入してまで買いたくない人は、流木を組み立ててヒースの花で飾り付け。
cc-by-sa-2.0| Lisa Risager
そんなグリーンランドでクリスマスの食卓を飾るのは、脂がたっぷりのクジラの皮料理Muktuk。ココナッツの味がするらしいですが、硬すぎて噛めないので飲みこんでしまうことも珍しくないそう。
cc-by-sa-3.0| Michael Haferkamp
その他には、キビヤックと呼ばれる北極圏特有の漬物。
数十羽の海鳥をアザラシの中にそのまま詰め込み、数か月、もしくは数年間地面の中で寝かせます。
味はもちろん濃厚で、栄養豊富なのですが、日本の“くさや”と肩を並べるほどの強烈な臭いを放つことが知られています。
グリーンランドのクリスマスは、調理も盛り付けも何から何まで男性が受け持ち、女性をとことんもてなす日。
女性の方は、恋人や家族に『今年はグリーンランドスタイルでお願いね☆』とオネダリしてみるといいかも知れません。
もてなされるか、アザラシに詰められた海鳥が出てくるか、ドキドキですね☆
エジプト
人口の15%がクリスチャンのエジプトには、コプト正教会の信徒によって行われる伝統的なクリスマスがあります。
クリスマスイブ(実は1月6日)は、動物由来の食品を一切取らない、いわゆる“ヴィーガン”の食事で楽しみます。
その後、深夜まで(地域によっては朝4時まで!)教会でクリスマス礼拝を行います。
クリスマス当日は雰囲気が一転。
肉に、卵に、バターに、イブの時に食べられなかったご馳走を、ここぞとばかりにたらふく食べます。
最も伝統的な料理の1つは、Fataと呼ばれるブレッドスープ(パン入りスープ)。ラム肉、米、にんにくをじっくり煮込んで振舞われます。
イタリア
国民の80%がカトリック信徒のイタリアには、長いクリスマスの伝統があります。
イエスキリストの生誕場面を表したジオラマは、“プレゼペ”と呼ばれ、クリスマス期間には各家庭に1つずつ置かれます。
聖書の登場人物のみならず、農民や商人など日常風景を切り取った置物もあり、いわゆる“バラ買い”でジオラマを盛り上げることも出来ます。星や、色紙や、キャンドルで飾り、子供たちはそわそわし始めます。
cc-by-sa-3.0| Armin Kubelbeck
お肉も魚も何でも食べますが、最も有名なのはパンドーロとパネットーネ。
どちらも、丘のように可愛らしく膨らんだクリスマスだけのケーキ。
小麦粉、砂糖、卵、バター、カカオバター、酵母で作った甘く柔かいスポンジの上に粉砂糖を振りかけたのがパンドーロ(“黄金のパン”)。
そこにレーズンやプラムなどのドライフルーツを混ぜ込んだのがパネットーネ(“大きなパン”)。
クリスマス前から何日もかけて準備する、象徴的なデザートです。
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