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自転車保有数世界一、国民の3割が自転車を主要の移動手段に挙げているオランダで、街中でも郊外でも自転車のための道路が整備されていることは良く知られていることです。

日本の約9分の1の面積しかないのに、自転車を優先させた道路(専用道、林間の自動車歩行者専用道路、バスと自転車専用道などなど)の長さは実に約8倍もあるのです。

オランダ、自転車好きにはたまらなく魅力的な国であることは間違いありません。しかし、自動車好きや船(!)好きにも優しい国だということを知っていましたか?今回は、止まらないオランダの道路革命のほんの一部をご紹介いたします。

闇夜に光るオランダの高速道路

皆さんはラウンドアバウトをご存知ですか?

環状交差点と呼ばれる丸い形の交差点のことで、信号も一時停止箇所もないので、従来の十字交差点に比べ格段に渋滞が軽減され、重傷事故が少ないとされる新しい種類の交差点です。

効果は世界的に認められていて、日本各地でも続々と導入が始まっているところです。

オランダは他の欧米諸国と並んで今世紀の初めからラウンドアバウト普及に取り組んできましたが、最近、さらに革新的な取り組みを今度は高速道路で行っているというニュースが話題になっています。

それは、「闇夜に光る高速道路」。

闇夜に光るオランダの高速道路1

newatlas.com

仕組みは単純、高速道路上のガードレールや白線に、暗いところで発行する塗料を塗ったというもの(電球ではありません)。

前方が霞んで見えがちな夜間の運転をより安全にするために考案され、現在は試験的な導入を行っている段階です。また、道路が空いている時に無駄な電気の使用を抑える効果も期待されています。

闇夜に光るオランダの高速道路2

newatlas.com

さらに驚くことに、外気温を感知して道路上に雪の結晶マークを浮かび上がらせることで注意喚起をする仕組みや、

闇夜に光るオランダの高速道路3

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走行するだけで充電できる電気自動車専用レーンの整備など、未来を見据えた新たな革新をすでに計画しているといいます。

闇夜に光るオランダの高速道路4

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オランダのヴェニス – Giethoorn

電気自動車の普及に努め、自転車利用者の住みやすい取り組みを進め、環境整備にますます力を入れるオランダですが、船のことも忘れているわけではありません。

オランダ東部の小さな村Giethoorn(ギートホルン)では、車道は一切なく、村民の移動手段は主に小舟で行われます。

オランダのヴェニス – Giethoorn

Bert Knot|CC BY-SA 2.0

村民たちは橋や水路で互いの家々を行き来し、車の排気ガスが周りを驚かすことのない、心地よい静けさに満ちています。

ただ、村の水、実は自然にあったものではなく人力で蓄えられたもの。

元々歩行者天国だったGiethoornは、さらなる環境整備のために人口の湖を作り、村中に運河を建設したのです。お隣の中国ではすでに大人気の観光スポットになっていると言いますから、日本で噂になるのも時間の問題でしょう。

オランダのヴェニス – Giethoorn2

PhotoBobil|CC BY 2.0

おまけ:発電が出来るオランダの自転車専用道

駅構内に設置して歩行者から電気を得る「発電床」は日本でも広がりつつありますが、オランダは自転車天国というお国柄を反映した取り組みで成功しています。

アムステルダム郊外、自転車専用道の一部に発電床を敷いた結果、たった70メートルの発電床から小規模な家の一年分の電力をまかなえるだけの発電が可能だと分かりました。

おまけ:発電が出来るオランダの自転車専用道

solaroad.nl

これをどんどん広げていけば、「日常的なエネルギーを使いながら将来のエネルギーを生み出す」、そんな理想的なサイクルが当たり前になる社会もぐっと近づくのでは、と思ってしまいますよね。

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スタッフからひとこと

江戸の町では運河を日常的に利用していたというのは有名ですよね。

「速さ」や「新しさ」だけでなく、もっと環境に配慮した街作りが出来れば、2020年のオリンピック後もたくさん外国の方が来てくれるかもしれませんね。