新しい年、2016年を迎えるまで、残り10日を切りました。
そして、今年の水曜日メルマガは今回が最後。
“読んでも特に役には立たない”をひそかなコンセプトとしてお送りしてきましたが、開いてみた方々にちょっとでも“にやり”としていただけたなら、嬉しい限りです。
さて、今年最後も特に役には立たない情報を喜んでお届けします。
ずばり、“海外ではどうやって年を越しているの?”
にじみ出るシュールさが、幸せな新年を呼びそうです。
あなたは、12粒のブドウを完食出来ますか?
西ヨーロッパの赤い国スペインでは、年明けが近づくと人々はそわそわし始めます。
そわそわするのは万国共通、日本でも意味もなくうろついたり、にやにやしたりするものです。
しかし、スペイン人はそわそわしながら、ブドウを取り出します。
そして、各人が12粒の実を大事そうに握りしめるのです。
実は、年明け前、12回の鐘の鳴るのに合わせてブドウを食べるのが、スペインの年越しの風習。1粒1粒が、新年の1か月ごとに対応しています。
cc-by-sa-2.0|Tomas Fano
マドリードのプエルタ・デル・ソル広場の鐘が、全国で生中継され、地方の家族はテレビの前で待ちかまえ、鐘の鳴らされるごとにブドウを口に放り込み、次の鐘が鳴らされるまでに咀嚼しまくります。
次の鐘は3秒後。とすると、計45秒ほどでブドウの実を12粒完食しなければ、幸せな1年を送ることが出来ない計算です。
「てやんでえぃ!カンタンでえぃ!」
食いしん坊の江戸っ子はそう考えることでしょう。
けれど、想像してみてください・・・
12粒のブドウの実を手のひらにのせ、鐘に合わせて家族一斉に口に放り込み、しんと静まり返る中、必死にブドウを噛みつぶそうとする音だけが室内に響き渡るのです。
普段は寡黙なお爺さんも、勝負入れ歯で参戦です。
まず、確実に誰かが笑います。
誰かが笑うと、あなたもこらえきれずに笑います。
みんな笑いながら、しかも鐘に合わせてブドウを口に放り込みます。
たぶん果汁とかが飛び散ります。
たぶん勝負入れ歯のお爺さんだけは、親のかたきを食らうように真剣です。
それ見て孫は鼻からブドウを吹き出す曲芸を披露します。
もう無理です。ブドウ12粒を鐘に合わせて食べるなんて無理です。
でも、新年は笑って迎えられます。
108の除夜の鐘で試そうと思ったあなた、個々人の責任でお願いします。
皿割って、飛び降りる、ニューイヤーの狂気
かつてヴァイキングが一世を風靡していたデンマークでは、年越しも豪快です。
ややこしいルールもありません。
大晦日が来ます。
まず、食べます。たらふく食べます。
デザートには特大のケーキを食べます。たらふく食べます。
誰かの玄関めがけて、皿を投げまくります。
終わりです。
これで良い年が迎えられると言われています。
それと、忘れてはならないのは、椅子から飛び降りること。
椅子の上に立って待ち、12月31日24時の鐘に合わせて床に飛び降ります。
皿割りと比べるとだいぶ地味ですが、これで本当に良い年が迎えられるならやらない手はないでしょう。
ホグマネイ
cc-by-sa-2.0 |Robbie Shade
スコットランドの大晦日は、ホグマネイ(Hogmanay)と呼ばれます。
人々は、大晦日から年明けまでずっと飲み騒ぎます。
お祭り騒ぎ目当てに、世界中からたくさんの人が訪れます。
エディンバラやグラスゴウなどの大きな都市では、たいまつ掲げて街を練り歩き、盛大な花火大会が催されます。
cc-by-sa-3.0|MrPurple
北に広がる山がちなハイランド地方では、火の球転がしが行われます。
古新聞や布を燃やして作った火の球を、何を思ったか頭のまわりで転がしながら、走り回り、最後には海に豪快に投げ捨てて終わりです。
cc-by-sa-3.0|Lee Kindness
ヴァイキング侵略の過去のある、シェトランド諸島では、レプリカの海賊船を丸ごと燃やすします。
やたらと燃やしたがるスコットランド人の大晦日。
年越しそばとおせちのエンドレスガンジツに飽きたら、思い切ってスコットランドに行ってみるのも良いでしょう。
|