“バットマン vs スーパーマン”劇場公開でアメコミ界の注目を独り占めにしたDCコミックス。
正義と悪の曖昧な境界線を、迫力の映像と共に見せつけてくれました。
勧善懲悪の単純なヒーローものを描かず、個性の強すぎるキャラクター(デッドプール)や観る人に考えさせるようなプロット(バットマン vs スーパーマン)を打ち出すのが近年のアメコミ映画のひとつの傾向かもしれません。
そして、マーベルに負けじと問題作を世に送り出すDCコミックスが次に見せてくれるのは・・・
“史上最悪のヒーロー (Worst Heroes Ever)”
どうやらDCコミックスは、犯罪者まみれのヒーロー映画の公開に踏み切ろうとしているようです。
実はこの映画、トイレに一人で行けなくなりそうなほどおっかない顔ぶれにも関わらず、私たちを待ち遠しくてたまらなくさせる理由に満ちているのです・・・。
1.動機がすでに極悪人っぽいから
出典:comingsoon.net
公開まで焦らすように小出しにされる映画の画像を見てみると、どうやら街中で暴れまわっているようです。
本来なら牢獄に捕らえられていなければいけないはずの、超のつく犯罪者たち。
でも、脱獄に成功したわけではありません(しようと思えば出来るかもしれませんが)。
彼らに街中で世紀末的ふるまいが許されるのも、とある極秘任務を米国政府から与えられているから。
任務内容は今のところ私たちには明かされていませんが、任務遂行の報酬は確定しています。
それは、減刑。
耳を疑うほど恐ろしい罪を犯した彼らには、口にしたくもない刑が科されているはず。
それを任務遂行と引き換えに減刑させようとするのですから、どこまで図太いのかが分かります。
脱獄防止のための爆弾を埋め込まれた犯罪者チームの通称は、“スーサイド・スクワッド(Suicide Squad)”
直訳すると、自殺部隊。
「自殺的ともいえる危険な任務を減刑のために遂行する極悪犯罪者達」――
そんな物語、面白くないはずがありません。
2.配役が絶妙だから
スーサイド・スクワッドが映画ファンをわくわくさせるわけは、配役の絶妙さにもあります。
出典:dailymail.co.uk
まず、ヒース・レジャーの伝説的な演技のあと、とんでもない重荷が圧しかかってくるジョーカー役を買って出たのは、「ダラス・バイヤーズクラブ」で数々の助演男優賞を総舐めしたジャレッド・レト。
過剰な増減量も、女装も、麻薬中毒患者も、どんな役にもなりきる役者魂はヒース・レジャーにも匹敵するかもしれません。
出典:cinemablend.com
ハリウッド版ゴルゴ13的な雇われ狙撃手デッドショットを演じるのは、日本でも人気の大御所ウィル・スミス。
主要メンバーに配置された彼が、間違いなくカオスなこの問題作に安定感を与えるのが期待できます。
出典:youtube.com
美しい狂人ハーレイ・クインを演じるのが注目の女優マーゴット・ロビー。
「ウルフ・オブ・ウォールストリート」でレオナルド・ディカプリオ演じる主人公の妻役として一躍その名を世に知らしめました。
力の入ったメイクと衣装で、誰が誰を演じているのか分かりにくいスーサイド・スクワッド。
けれど、顔を覆う特殊マスク着用人口が少ないのを見ると、アイアンマンがやたらとスーツを放棄して歩き回るアベンジャーズ的なファンサービスシーンはあまりないかもしれませんね。
3.マイナーな悪役にもスポットが当たるから
普段はヒーローばかりが取り上げられ、あまり存在を知られることのないアメリカンコミックの悪役たち。
でも実際、ヒーローが活躍するにはそれと同じ数かそれ以上の悪役が必要なはず。
スーサイド・スクワッドは普段見られない悪役を見られる最高の機会です。
おでこの日本国旗がチャーミングな“カタナ”もその一人。
出典:movieweb.com
武道の達人で、日本刀を振り回し、夫を失った暗い過去も持ち、実は悪役じゃなくてヒーローなのに今回はスーサイド・スクワッドになってしまったお茶目な女剣士。
日本のテレビにも出演したことのあるカレン・フクハラさんが演じます。
そして、バットマンシリーズの悪役、“キラー・クロック”も忘れないようにしましょう。
出典:screenrant.com
アメコミお馴染みの突然変異でワニっぽい体になってしまったお茶目なワニっぽい人。
映画にどんなワニ的な要素を足してくれるのか。はちきれんばかりの期待で突然変異してしまいそうです。
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