レゴ1

あえて言うまでもありませんが、レゴは単なるプラスチック製ブロックです。

ミニチュアの家を作るために製造されたわけでもなく、原寸大の恐竜の化石用に生み出された部品でもありません。

手を触れなければ、軽い四角のプラスチックで、生活を助ける道具でもありません。

けれど、知らず知らず、衝動に身を任せ、ブッロクをくっつけ合い、気が付けば自分だけの家や飛行機や小さな町が手元に残っている・・・あなたにもこんな経験があるのではないでしょうか?

そんな衝動を大人になっても持ち続け、レゴで何でも創り続け、最終的に限界突破してしまった人のことを、レゴ認定プロビルダーと呼びます。

レゴ2

オーストラリアの認定プロビルダー、ライアンさん(出典:sydneylivingmuseums.com.au)

レゴに情熱を注ぎ、独自の作品を創っていたら、レゴ社から直々に声をかけられた世界にたった13人しかいない人たちのことです。

レゴ認定プロビルダーの、なにが、どんなふうにレゴ認定プロビルダー的なのか、完成度の高い作品に圧倒されながら探ってみることにしましょう。

レゴで生きている

「好きなことを仕事にする」――

言えば簡単なように聞こえるけれど、これほど難しいことはありません。

あなたの情熱が“遊び”となれば、なおさらです。

レゴ認定プロビルダーは、レゴという“遊び”への情熱を貫き続け、それを仕事にしてしまった人たちのことです。

レゴ3

代表作“ホワイトタイガー”と(出典:hrnabi.com)

日本で唯一のレゴ認定プロビルダーに選ばれた三井淳平さんもその一人。

物心つく前からレゴで遊び、レゴに生き、レゴで働く三井さんは、代表作のホワイトタイガー戦艦大和、チャリティーイベントへの出品等の社会貢献を理由に、2011年レゴ社にプロビルダーとして認定されました。

その後、鉄鋼メーカーでの勤務の傍ら独自のレゴ作品を創り続け、フルタイムでレゴ事業に専念するため2015年三井ブリックスタジオ株式会社を設立。

企業から依頼されたレゴ製作や、レゴ組み立てのレシピを提案するアプリのリリースなど、精力的に活動しています。

ちなみに、玄関までの道のりは、レゴ山を越えていかなければいけないようです。

レゴ4

出典:ツイッター

レゴを芸術の域にまで高めている

レゴ5

出典:brickartist.com

画家の芸術が絵具の組み合わせで、ピアニストの芸術が鍵盤の組み合わせであるように、レゴの芸術は独立した四角のブロックを組み合わせから生まれます。

同様に、全ての絵が芸術ではないように、全てのレゴ作品が芸術であるわけではありません。

そして、レゴ作品を芸術の域で表現するのも、レゴ認定プロビルダーの腕の見せ所です。

アメリカ合衆国のネイサン・サワヤさん(Nathan Sawaya)も、現代美術の世界で活躍するレゴビルダーのうちの一人。

レゴ6

出典:telegraph.co.uk

レゴとの出会いは5歳の時のクリスマス。

建物、車、動物などを飽きずに創り続け、両親は並々ならぬ創造性をすぐに直感します。

両親が犬を飼うことを断った時には、原寸大の犬をレゴで創ってしまいました。

その後も情熱を絶やすことなく、彼は芸術の表現手段の一つとしてレゴを使うことを決心します。

彼の個展「THE ART OF THE BRICK」では、胸からレゴブロックが溢れ出す胸像“Yellow”や、レゴの手を失った“Hands”に代表される、ブロックで出来た人間から深い感情が伝わってきそうな生々しい作品群が見られます。

レゴ7

出典:minimaetmoralia.it

世界中を回っている彼の個展に、ぜひ足を運んでみてください。

“限界”の定義が覆されるかもしれません。

レゴ以外のことも考えている

意外に思われるかもしれませんが、レゴ認定プロビルダーはレゴ以外のことも考えているのです。

レゴ8

出典:lehighvalleylive.com

自ら“プロの子ども”(professional kid)と名乗るショーン・ケニーさん(Sean Kenney)は、レゴと教育の融合を熱心に考え続ける人の一人です。

彼の仕事は、子供の眼を輝かせること、街角のブロックに命を吹き込むこと、1ピースにユーモアと物語を詰め込むこと。髪が薄くなっても12歳児であると主張し続けるショーンさんの笑顔に嘘はありません。

レゴ9

出典:seankenney.com

ショーンさんがいま最も情熱を注いでいるのは、Nature Connectsと呼ばれる自然とレゴの融合を実現する個展ツアー。

50倍の大きさを持った動植物たちの屋外個展で、洗練された芸術表現の場であると同時に、“自然界の全てが微妙なバランスの上に関わりあっている”ことを人々に知ってもらう場でもあります。

レゴ10

出典:seankenney.com

“世界を破壊しない創造がある”ことを、有無を言わせない実例と共に教えてくれます。

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奥さんや旦那さんや恋人へのプレゼントで迷っている、そこのあなた。

今年はバケツいっぱいのレゴを贈りましょう!――

怒られそうになったら、「未来地図を一緒に組み立てたい」とかなんとか言って、上手にはぐらかしてくださいね☆