テキスタイルデザイナー 冨田倫子さん

お客様インタビューVol.2  テキスタイルデザイナー 冨田倫子さん

ビーズとの出会い

アンティークビーズとの出会いは28年前。たまたま訪れた銀座のデパートで、古いビーズのアクセサリーを売っている専門のフロアがあったんです。試しにひとつ買ってみたのがきっかけで、それから、骨董市やアンティークショップを巡っていろんなビーズを集めるようになりました。
最初の頃はビーズに関する知識なんてまったくなかったのですが、購入するときにオーナーさんに聞いたり、本を読んで調べたり、集めていくうちにどんどんビーズの世界に没頭していきました。以前はお店にオーダーしてアクセサリーを作ってもらっていましたが、いまは世界中から自分でビーズを集めて、自分で組んでみることを楽しんでいます。

アンティークビーズで作ったネックレスはどれも素敵。

アンティークビーズで作ったネックレスはどれも素敵。

私がビーズに魅了される理由

今日はセカイモンで落札したビーズで作ったネックレスをいくつか持ってきました。ヴィンテージの和玉や何層もの色ガラスを重ねたジグザグ模様が特徴のシェブロン、北米にある世界最古の貿易会社ハドソンベイのビーズ、パイレーツやスカルと呼ばれるベネチアンビーズなど… どれも素敵でしょう。中でもかなりめずらしいのが、「バンチェン」の石。タイのバンチェン遺跡から発掘されたビーズで、たぶん紀元前のものだと思います。

 私がアンティークビーズに感じている魅力は、時を経て稀少になったとはいえ、当時、あくまで大量生産された製品だったというところです。それを、買い手側は特別なものとして入手して、宝石や財産になり、神秘的な力のあるものと信じました。“ただのガラス玉”なのにです。悲しい歴史も楽しい歴史も、時代を経験したビーズは、手にするとひとつひとつがただのガラス玉とは思えないものを秘めています。だから、また欲しくなるんですね。

バンチェンのようなめずらしいものは必然的に高価になり、10個ぐらいまとめて数万円とかで売られていることが多いです。そういうのがセカイモンではバラでひょこっと出てきて、なんと20ドルぐらいで落札できました。相場では考えられない価格ですね。
実は商品の探し方にコツがあって、これは商品名に「バンチェン」と書かれていなかったんですね。そうすると「バンチェン」で検索しても出てこないから、その分、探す人が少なくて安く落札できたんだと思います。

中央のブルーの石が「バンチェン」。紀元前とおぼしき稀少なビーズ。

中央のブルーの石が「バンチェン」。紀元前とおぼしき稀少なビーズ。

最初に入札するまで3ヵ月悩みました
セカイモンでの検索知識も豊富な冨田様。

セカイモンでの検索知識も豊富な冨田様。

十年ぐらい前からネットが普及して商品が気軽に買えるようになり、日本のオークションサイトでもビーズを買うようになりました。ただ、日本ではアンティークビーズの市場は小さく、出回っている数も少ないんです。eBayは知っていたけど、英語がしゃべれないから直接取引は不安だし、そもそも海外オークションなんて本当に届くのか… という懸念もあって躊躇していました。そんなときにセカイモンを知って、やってみようと思ったのが4年ぐらい前。

セカイモンで気になる商品を見つけたものの、買うか買うまいか、何か月も悩みました。英語の問題はクリアされるし、米国内配送状況の追跡もしてくれる。それでも海外の物流事情って信用できないところがあって。とりあえず気になる商品をウォッチリストに入れて、眺める毎日…(笑)。でも、最後はやっぱり欲しい気持ちが勝ちましたね。「よし、入札してみよう!」と。

「あ、ふつうの通販と同じだな」

はじめてセカイモンで商品を買ったときは、落札から商品到着まで思っていたよりスムーズだと思いました。年末のクリスマス前ぐらいに落札して、1月10日頃には届きました。海外からの配送で、しかも年末年始を挟んでいるわりには早かったなと。入札する前にセカイモンの評判をネットで見ると、ネガティブな反応も多かったので、「もしかしたら届かないかもしれない」とかいろいろ考えてたんですけど(笑)。
商品自体はアンティークなものなので、多少の傷などは了承の範囲ですし、実際使ってみたら「あ、ふつうの通販と同じだな」って。今後もビーズ収集に使えると思いました。

あえてキーワードを入れずに検索
稀少なビーズに出会うには、根気よく全ページ閲覧するのが流儀。

稀少なビーズに出会うには、根気よく全ページ閲覧するのが流儀。

先ほどバンチェンの石の探し方でも触れたんですけど、アンティークビーズに関しては商品名や商品説明にそこまで詳しく書かれていないことが多いので、あえてキーワードは入れず、時代で見たり、とにかくスクロールして探しています。「コレクション」の下に「ビーズ」のカテゴリがあるのですが、そのならびにある「文化,民族」とかのカテゴリにもいいものが紛れていたりしますし(笑)。なので、普段から「何かいいものあるかも」と思いながら頑張って探しています。

そうそう、キーワードを入れずに検索していると、100ページまでしか見られませんよね? 1万件以上の商品は表示されない… いまのところそういう制約があるんですね。私が探しているアンティークビーズという商品はキーワードで絞り込みにくいので、キーワードを入れなくても100ページ以上の商品が見られるようになると嬉しいです。

初心者はトップセラーから買うのがおすすめ
スカーフからさりげなく見えるビーズネックレスももちろんオリジナル。

スカーフからさりげなく見えるビーズネックレスももちろんオリジナル。

セカイモンではじめて落札したときもそうですが、私はなるべくトップセラーさんを選んで商品を購入しています。アンティークビーズは国際的にトレードする伝統のある商品なので、出品者でまったくの個人という方は少ないようです、商品内容やスムーズな取引を見ても「プロの方なんだろうな」というのがわかります。なので、初心者の方はなるべくトップセラーさんから買うのがおすすめ。私はトップセラーではない出品者からも何点か購入しているのですが、やはり出荷が遅い印象ですね。その時は気長に待つしかありません。

国際送料をもう少し事前に知りたい

海外からの輸入でいちばん引っかかるところと言えば、やはり国際送料ではないでしょうか。私もセカイモンでの取引でいちばんドキドキなのは、最終的な送料がいくらになるのかということ。税金の計算も難しいですし、そのあたりがもう少し事前にわかると予算を立てやすいですから。
あと、ヨーロッパ商品の送料がもう少し安くなるといいですね。ヨーロッパってアンティークに限らずおしゃれで可愛いアイテムが多いので、国際送料が安くなればもっと女性客が増えそうな気がします。

セカイモンは「宝探しの場所」
16~17世紀にヨーロッパでたくさん刷られたという図版。魚のプリントが可愛い。

200年以上前にドノバンが描いた博物図鑑の図版。日本では専門の展示即売会でないと手に入らないそう。


実は私もまだヨーロッパ商品を買ったことがないので、何か買ってみたいと思っています。欲しいと思っているのはイギリスのオークションに出ている「アンティークプリント」。私は趣味でダイビングをやっているので、魚のプリントのものが欲しいです。16~17世紀にヨーロッパで博物画がブームになり、たくさんの図鑑が刷られました。ボタニカルプリントなんかもそのひとつです。図鑑一冊だと天文学的な値段だったりしますが、図版としてセカイモンでも一枚一枚出品されているので、それが欲しいなぁと思っています。ヨーロッパ商品の国際送料が安くなることを期待しています。


セカイモンを見る頻度ですか? 1日1回は見ていますね。夕食を食べてのんびりしたあとに、お茶を飲みながら… 毎日100ページ見ているわけじゃないですよ(笑)! ビーズの特性なんですけど、ある日いいものがひょこっと出てくるんですよね。そういうのに限って早く売れてしまったりするので、とりあえず毎日さらさら~っと見るようにしています。
すごく楽しいですね。「どこかに埋もれているかもしれない」というのが、“宝探し”みたいな感覚で。毎日見て、宝探しです。宝を見つけたらひとまずウォッチリストに入れて保存。そうしないとお宝が埋もれちゃってどこにあるかわからなくなってしまいますからね(笑)。

編集部コメント

お客様インタビュー第二回は、世界のアンティークビーズを集めている冨田様にお話を伺いました。セカイモンで落札したビーズのお話はもちろん、ご趣味のダイビングについても教えていただき、大変勉強になりました(取材撮影の内容はブログ『セカイモンの裏側』もご覧ください)。また、ご要望いただきました国際送料見積もりの精度アップ、一覧できる商品件数の増加など、サービス向上にも取り組んでいきたいと思います。アンティークビーズについては冨田様のブログ『ナチュラルヒストリー』で詳しくご紹介されているのでぜひご覧ください。冨田様、本日はどうもありがとうございました!

【 セカイモン編集部 井澤、大宮 2015年6月11日 】